慈しみを以って身を修める
「雨ニモマケズ」の作者・宮沢賢治は、『妙法蓮華経』のお経本を1,000部出版し、知己の方々に贈ることを遺言しました。
その奥書きには、「私の全生涯の仕事は 此経をあなたの御手許に届け そして其中にある佛意に触れて あなたが無上道に入られん事を御願ひするの外ありません」と記されています。
(宮沢賢治の法華経『国訳妙法蓮華経』。当山に格護される『国訳妙法蓮華経』は、賢治が遺言して残した1000千冊のうちの1冊です。9月21日が賢治の命日にあたるため、秋のお彼岸の期間中、本堂内にて展示しています)
『妙法蓮華経』如来寿量品第十六には、「毎自作是念 以我令衆生 得入無上道 即成就佛身」とあります。このお経文は、「私はいつも、人々が慈しみの心で身を修め、皆が仏の身となってこの上ない覚りの道を得ることを願っています」という、お釈迦さまのメッセージなのです。
慈しみのお経「メッタ・スッタ」
一切の生きとし生けるものは 幸福であれ 安穏であれ 安楽であれ
何びとも他人を欺いてはならない
たといどこにあっても 他人を軽んじてはならない
互いに他人に苦痛を与えることを 望んではならない
この慈しみの心づかいを しっかりとたもて
(ブッダのことば)